院長のひとりごと

 

ABC検診と胃内視鏡検診が始まります  2020.4.6

昨年末のことになりますが青森市で令和2年度からABC検診と胃内視鏡検診の実施が急遽決定しました。ABC検診は40歳代の偶数歳、内視検診は50歳以上の偶数歳が対象です。また40歳以上のバリウム検診(レントゲン検診)は従来通り出来ます。ABC検診と胃内視鏡検診は県内では弘前市についで2番目の実施になります。
ピロリ菌とABC検診につては前回の ” 病気あれこれ ” のコーナーで解説しています。検診の詳細については今後、市の広報や町内の回覧板などに載ると思いますので少しお待ち下さい。対象になる市民の皆さんにはこの新しい検診を受けていただきたいと思います。

胃がん検診について     2019.12.24

青森県の癌死亡率は高いことはご存じの方も多いと思います。その中でも胃がんは多く胃がんを減らすことがもとめられます。今月の”病気あれこれ”に述べていますが胃がんはピロリ菌の感染が原因であることがわかっています。従ってピロリ菌対策が胃がん対策になります。ピロリ菌感染の有無と胃粘膜に萎縮の程度を同時に判定するABC検診(胃がんリスク層別化検診)を行い未感染者以外には定期的な内視鏡検診を実施するというのが最も効率の良い胃がん検診の方法です。弘前市はすでにABC検診を行っており昨年から内視鏡検診も始まり県内で最も優れた胃がん撲の体制をしいています。青森市は来年度からABC検診と内視鏡検診の導入を検討しています。これが実現すれば将来の胃がんの発症と死亡率を大幅に減少することが期待できます。

 

ホームページを新しくした経緯  2019.10.21
当院のホームページは平成18年8月釜石市の某社に依頼して開設、平成25年に某社の都合で北上市 A*G*L*k 社(以下A社)に変更になり特に問題なく継続していました。
 ところが今年5月更新しようとしたらホームページが見当たらない!慌ててA社に電話して改善を依頼しましたが6月になってもアップなし。再び電話したら ” この電話は使われておりません ” の悲しいメッセージが流れました。だまされました。残念なのはこれまで13年間のデータがすべて消失したことです。ただただ呆然とするしかありません。記事の全てを保存していなかったことが悔やまれます。
A社に何があったかはわかりませんが顧客には最後まで誠実に対応すべきです。もしA社の関係者がこのサイトを見ていたらデータだけで良いので返却をお願いします。




 

病気あれこれ


 

高齢者のてんかん       2020.4.6

 てんかんというと突然けいれんを起こし意識がなくなる子供の病気というイメージがありますが、これは熱性けいれんという病気で一般的なてんかんとは違います。日本でのてんかんの患者さんは18歳未満が17%、18歳から64歳が39%、65歳以上が44%で高齢者が約半数をしめます。多くは高齢になった初めて発作をおこす高齢発症てんかんです。

高齢発症てんかんの特徴

てんかんは脳の神経細胞が過剰に興奮する病気です。突然、意識が消失し口をくいしばったまま、手足を伸ばした格好で全身を硬直するまたは曲げたり伸ばしたりする、呼吸が止まるなど一見してただならぬ状態になります。これは脳全体の神経細胞が興奮状態になるためにおこり全般発作といいます。
これに対し高齢発症のてんかんの多くは脳の一部の神経細胞が興奮するもので、複雑部分てんかんに分類されます。代表的な症状は意識障害ですが、意識が完全に消失することはなく一点を見つめてぼーっとするもので転倒しません。発作中は話かけても無反応です。口をもぐもぐ動かしたり、舌をぺちゃぺちゃ鳴らす、貧乏揺すりのように足を小刻みに動かす、服や周囲のものを無意味に触ることもあり自動症といいます。このような動作をしていても本人には動かしているという意識はありません。発作は数分で終わりますがその後もうろうとした状態になります。
こうした発作が繰り返されると次第に記憶障害が出てきます。認知症の記憶障害は昔のことはよく思えていますが、高齢発症のてんかんでは思い出深い過去のことを忘れるのが特徴です。これらのてんかんの症状は本人には全く自覚がないため家族など周囲の方が気づき見つけてあげることが不可欠です。

てんかんの治療
治療しないでいると発作の頻度が増え記憶障害が悪化します。できるだけ早く神経内科、精神科などのてんかん専門医を受診してください。その際は発作時の様子をよく知っている方の同伴が必要です。スマホなどの動画があれば大変参考になります。てんかんの治療は抗てんかん薬といわれる薬剤で発作をコントロールすることです。大切なことは薬を飲み忘れないこと、勝手にやめないことです。薬は発作の回数を減らしているだけで、てんかん自体がなくなることではありあません。薬を飲み忘れたりやめたりして車の運転中に発作を起こし事故を起こすことは絶対にあってはいけません。

 

 ピロリ菌と胃がん  2019.12.24

ピロリ菌という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。胃の中は胃酸があるため細菌は住めないというのが通説でした。ところが1983年ウォレンとマーシャルが胃の粘膜にピロリ菌を発見しました。ピロリ菌は当初潰瘍の原因として注目されていましたが、その後胃がんや胃のリンパ腫、血小板減少といった病気と深く関わっていることがわかっています

ピロリ菌とは?

ピロリ菌はヒトの胃の中にいます。感染経路ははっきりしませんが経口感染とされていて母親からの子などの家庭内感染が疑われています。5歳までに感染するとずっと胃の粘膜に住み着きます。高齢者ほど感染率が高いですが、これは上下水道が整備されていない時代に幼少期を過ごしていたためと言われています。感染率は60歳代以上では昭和40-50年代は80%以上ですが平成初期には70%程度、平成20年代は40-50%に低下しています。現在の10歳代では5%程度ですから今後感染症者数は減少していきます。

ピロリ菌に感染すると胃はどうなる?
胃粘膜に炎症(障害)をおこし慢性活動性胃炎といいます。これが進むと粘膜がやせ衰える萎縮性胃炎になります。更に進むと腸に似た粘膜に変化し腸上皮化生といいます。ここまで来るとピロリ菌が住めなくなり菌は消失します。こうした課程で胃粘膜の細胞の遺伝子が傷つけられ胃粘膜の細胞が癌化します。胃がんの99%以上がピロリ菌感染が原因であり塩分・野菜不足・喫煙などが加わると更に危険になります。1994年WHOはピロリ菌が胃がんの原因と認定し2014年には胃がん対策はピロリの除菌とのコメントを出しています。

ABC検診 
ピロリ菌感染の有無を抗体で検出、消化酵素の元になるペプシノーゲンの量から胃の粘膜萎縮の程度を判定する検査です。A群は正常でピロリ菌陰性、ペプシノーゲンは正常、B群はピロリ菌はいるがペプシノーゲンは陰性(胃粘膜に萎縮は軽度)、C群はピロリ菌がいてペプシノーゲンは減少、胃粘膜の萎縮は進行、D群は高度の胃粘膜の萎縮のためピロリ菌が住めない(菌消失)状態です。
ABC検診は”胃がんのなりやすさ”を判定するもので胃癌そのものを見つけるものではありあませんので、これまでのバリウム検診や内視鏡検診とは全く異なります。

除菌の方法は1週間の内服薬  
胃酸を抑える胃薬1剤、抗生剤2種を1週間内服します(1次除菌)。約9割で成功しますが不成功例では抗菌剤を変えて2次除菌をします。また除菌後に胃粘膜が回復し胃酸が増えて逆流性食道炎(胸焼けなど)をおこすことがあります。

除菌しても胃がんになる危険はゼロにならない
除菌すると胃がんの発生に対する抑制効果は30%程度とされます。これは除菌してもこれまでの胃の細胞の遺伝子に傷が残るためで発がんの可能性は残ります。そのためA群以外では除菌が成功しても定期的な内視鏡検査が必要になります。

 

慢性便秘症  2019.10.21

便秘とは
排便に悩む人は少なく加齢とともに増えます。この便秘ですが ”本来体外に排出すべき便を十分かつ快適に排出できない状態 ”と定義されます。ですから1週間に1度でもおなかが張らずに快適に排便していれば便秘ではなく毎日排便があっても残便感ありすっきりしないときは便秘です。便秘は大腸の機能的な異常(動きがうまくいかない)にともなうために生じ排便回数が少ないタイプと便が硬くて十分でない排便困難の2つがあります。
便秘の治療・・・新薬の登場
ストレスや過激なダイエットで大腸の運動が低下すると便秘になるので治療には生活習慣を正すことが必要になります。ライ麦パン、豆類など食物繊維、ヨーグルトなど乳酸菌食品を摂るとうまく排便できます。
便秘薬は様々あります。刺激性下剤にはセンナ、アロエ、大黄を含む漢方薬、ラキソベロンなどがあり大腸の運動を刺激することで排便させます。浸透圧性下剤には酸化マグネシウム、ラクツロースがあり腸内の水分を増やすことで排便を起こします。
前述の2剤がこれまでの主流でしたが最近新しい下剤が加わりました。アミティーザとリンゼスは小腸粘膜に作用し腸内の水分を増やすことなどで排便させます。またグーフィスは小腸で吸収される胆汁酸をおさえることで排便を促します。これは発売されたばかりのため高価なことが難点です。また排便と姿勢の関係がわかっています。和式トイレの前屈み姿勢は直腸と肛門の角度が広がり排便しやすい姿勢とされています。洋式トイレでは便座に座ってから踵を上げるか足台を置いて足をあげ背筋を伸ばして35度前屈みになる、丁度 ”ロダンの考える人”のポーズになります。便秘の方は一度試してみてください。

 



スタッフから

 

パン職人          2020.7.23

このコロナ禍の状況で自粛傾向が続いていますね。
私は6年前から独学でパン作りをしていますが、どちらかというと米派でつくることが好きなだけ。
なので作ったパンはほぼスタッフの口に入ります。
今では自家製酵母でパンを焼いて、色々とアレンジしながらつくっています。
こういうご時世で気分も落ち込み気味になりますが何か新しいことにもチャレンジしたいですね。

 

 2019年 ラグビーW杯    ヤマト 2019.10.30

9月より毎週末ラグビー中継で観戦応援してました。
日本戦は大変楽しく興奮しました。
台風19号の影響で釜石の試合は中止となりましたが、外国人チームが泥の除去などの手伝いをしているのには心打たれました。
決勝トーナメントで日本ベスト8! ワンチーム! 最高ですっ!